ぶどうの病害について

【カビ】

(1)うどん粉病 Oidium(オイディウム)
 症状:白い粉状の胞子で覆われ、果粒が割れる。
 対策:開花時に硫黄

(2)べと病 Mildiou(ミルディユ)
 症状:最も一般的な病害で、湿度によって白いカビ状の胞子が付く。
 対策:ボルドー液

(3)灰色カビ病 Pourriture Grise(プリチュール・グリーズ)
 症状:成熟期に雨や湿気で、黒ぶどうは褐色になり、白ぶどうは灰色なり腐る。
 対策:イプロジオン水和剤(ロブラール水和剤)

(4)晩腐病 Ripe Rot(ライプ・ロット)
 症状:収穫期に果実が腐敗またはミイラ化する。日本で最も多い。
 対策:休眠期にベンレート



【害虫】

(1)フィロキセラ Phylloxera
 ぶどう根アブラムシ。1850年代後半にアメリカからボルドーに感染。
 1860年代にフランスで大被害。

(2)フィロキセラ・バイオタイプB Phylloxera biotype-B
 1983年ナパで発見されたフィロキセラの異変。
 これまでの台木ではなく抵抗力の強い台木で対応。



【細菌とウィルス】

(1)ピアス病 Pierce’s disease
 2000年頃カリフォルニアで発生。
 シャープシューターの唾液が感染源。植え替えが必要。

(2)リーフロール Leafroll
 葉の外側への巻き込み。植え替えが必要。

(3)フレック Fleck
 土壌線虫を媒介。糖度低下、味無し果。植え替えが必要。

(4)コーキーバーク Corky Bark
 樹木の亀裂と節の肥大。植え替えが必要。



【生理障害・生育不良】

(1)花振るい Coulure クルール
開花期の天候不順(多雨・低温)による受粉不良、土壌の窒素過多などのにより、上手く受精が出来なかったため顆粒の落花が多くなる現象。収穫量に影響する。
ピノ・ノワールのような密着型の房をもつ品種では、多少クルールがあった方が発病しにくくなる。

(2)結実不良 Millerandage ミルランダージュ
果肉があまり発達せず皮の部分が厚くなる。しかし、それによりポリフェノールが豊かになり色が深くタンニンがしっかりとし香りの高いワインが生まれるので、ブルゴーニュのピノ・ノワールなどはむしろ歓迎される。


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